コラム
報酬とは何か
2016/12/28
「報酬」とは何か?ということについて改めて考えたいと思う。
企業に対して人材が労働を提供し、企業に成果をもたらす。その成果をもたらすための労働の対価として企業は労働者に報酬を支払う。
労働に対して、どの程度、企業が報酬を支払うかは、その労働者の能力という要素の他に、労働分配率という要素も影響する。労働分配率は、企業によって異なるし、企業のステージによっても異なる。
競合と比べて採用市場において競争力がない会社は労働分配率を高めることもあれば、ベンチャー企業などでは将来の成長のための投資原資を留保するため労働分配率を低くすることもある。
能力・経験が変わらないという前提を置くならば、報酬を増やしたかったら労働分配率が高い企業で働くべきということになる。
ただし、労働分配率が高い企業は、どういう理由で労働分配率を高くしているのか、を洞察することはとても重要だ。
オーナー会社なので投資家への還元が求められないので社員に対して還元している、という理由も考えられる。
経営基盤が弱いので労働分配率を高めないと誰も入社してくれないので高めている、という理由もあるかもしれない。
金銭以外の形で報酬を分配しているケースもあり得る。例えば、研修制度が充実している、福利厚生が充実している、など。
企業からオファーされる金銭的報酬の裏側には様々な事情というものがあるので、その表面としての金銭的報酬だけを見て一喜一憂するのではなく、その背景までを洞察することは重要だと考える。