コラム
40歳、さて何を考えるか
2017/03/10
40歳前後の方のキャリアの相談に乗る際に意識して伝えるようにしていることがある。
それは、40歳前後の方は、70歳まで働くことが当たり前となっている時代になっている可能性が高く、それを前提にキャリアを考えてもらうことだ。
人生100年時代が本当に到来したら、70歳まで働くのではなく、それが80歳や90歳になる可能性もある。
漠然とだが60歳くらいで仕事を引退するイメージを持っているような人がいるかもしれない。
だが、仮に大卒で、今、40歳の人が70歳まで働くとすると、社会人18年目ということになる。70歳までの働くとすると、48年働くことになるので、まだ48年中18年が経過したに過ぎない。
まだ38%しか経過していないわけだ。
これがとても重要な意味を持つ。
まだ折り返し地点まで行っていないのに、自己投資を行い能力開発に向き合う姿勢の方が少ないように感じる。
成長しない人はいない。惰性で生きていても多少は成長する。ただ、世の中の変化に対してしっかりと歩調を合わせて成長するための投資をしているか、ということが大切だ。
世代ごとの労働人口は下の世代ほど少ない。
労働の需給バランスで言うとマクロで見ると若い世代の方が少ない。一方で、従来型の組織の性質として、中間管理職が多数の若手を下に置くことで組織が成立する。どの企業から話を聞いても若手が不足しているという声ばかりだ。
需給バランスで言うと、若手の供給が不足し雇用側の需要が過多な状態なわけだ。
こういう状況の中で、近頃の若者的な発言や、ゆとり世代といった話をしても何も変わらない。残念ながら需給バランスの中で物事は決まる。
となると、部下が自分と一緒に働きたいと思ってもらえるだけの魅力ある人間になることが大切になる。
だから、いま、ダイバーシティが叫ばれているのは、偶然ではないだろう。
転職を考える上で、待遇はとても気になることだ。特に結婚し扶養者がいるとそのプレッシャーは大きい。しかし、10年後にリストラされてしまったり、転職先はあるけれども望む仕事ができない、ということが発生することを少しでも回避するために、40代で身に着けるべき能力、そして経験が何であるか、ということを改めて考えておくことが必要ではないか。